
昭和21年(1946年)4月に平和病院が誕生して75年となりました。歴史ある地域に根付いた平和病院は、待望の新病院と横浜脊椎脊髄病センターに生まれかわり、毎日たくさんの患者様にご来院いただいています。そしてセンター開設10年を迎える事ができました。 大切な患者様をご紹介いただいております医療機関の先生がたに心より感謝申し上げます。
脊椎脊髄疾患の治療は困難で、手術も大変難しいとの認識がございます。 患者様やご家族の皆様に安心していただける医療を考え、安全かつ最新の治療を提供してまいりたいと存じます。 患者様やご家族の皆様、さらには地域の先生がたとの連携を大切に、医療を共有しながら病気の苦痛を取り除くため努めてまいります。
外来治療、各種検査、安静・リハビリ入院、低侵襲手術から根治手術、さらには術後リハビリに至るまで「ここに来れば全てを満たす脊椎拠点病院」としてトータルな医療を提供いたします。 職員一同力を合わせ「脊椎脊髄疾患に特化した質の高いチーム医療」を提供し、患者様が笑顔で病院を後にして頂けますよう努めてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
手術をお受けになった患者様、患者様をお支えになったご家族の皆様、大変お疲れ様でございました。
また、大切な患者様を多くご紹介いただきました全国の病院、クリニックの先生がたへ心より御礼申し上げます。
当院に治療をお任せいただき誠にありがとうございました。
当院では脊椎外科医、内科医、外科医、麻酔科医、看護師、リハビリ、薬剤師、放射線技師、栄養士、パラメディカルスタッフがおひとりおひとりの医療を作り上げています。
皆が脊椎脊髄医療を共有し、責任を持ってそれぞれの部門で治療に取り組んでおります。この手術件数はチーム医療の結果であり、貴重な経験として受け止めたいと思います。
大切な経験をいただき、さらに安心安全で質の高い医療を提供できるようスタッフ一同努力してまいります。
今後も皆様に信頼していただける医療を提供させていただくことをお約束いたします。
今後ともご指導ご支援どうぞよろしくお願いいたします。
田村医師の再診は予約制となっております。
他医師の初診、再診は午前午後問わず予約無しで受診できます。
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
午前診 9:00~ | 田村 川上 | 田村 加藤 | 加藤 | 野中 | 石井 | 交代制 |
午後診 14:00~ | 野中 | 田村 骨粗鬆症外来 |
石井 | 野中 | 川上 | - |
腰椎除圧手術 (内視鏡手術、開窓術) | 腰椎固定手術 (低侵襲固定、BKP、広範囲固定) | 頚椎手術 (拡大術、前方手術、固定術) | 合計 | |
---|---|---|---|---|
令和3年1月 | 21 | 19 | 5 | 45 |
令和3年2月 | 27 | 15 | 6 | 48 |
令和3年3月 | 40 | 20 | 10 | 70 |
合計 | 88 | 54 | 21 | 163 |
腰椎除圧手術 (内視鏡手術、開窓術) | 腰椎固定手術 (低侵襲固定、BKP、広範囲固定) | 頚椎手術 (拡大術、前方手術、固定術) | 合計 | |
---|---|---|---|---|
平成7-11年 (5年間) |
121 | 62 | 37 | 220 |
平成12-16年 (5年間) |
331 | 212 | 81 | 624 |
平成17-21年 (5年間) |
762 | 631 | 132 | 1,525 |
平成22-26年 (5年間) |
1,211 | 593 | 316 | 2,120 |
平成27-令和1年 (5年間) |
2,029 | 978 | 293 | 3,300 |
令和2年 | 325 | 231 | 80 | 636 |
合計 | 4,779 | 2,707 | 939 | 8,425 |
当センターでは以下の術式を施行しています。下線付き緑文字の術式は、詳細ページにリンクしている術式です。
週間朝日MOOK いい病院 にて当センターが脊椎脊髄手術全国5位にランキングされました
「文春ONLINE」患者一人ひとりの病態に応じて脊椎脊髄の治療と低侵襲手術に努める
2020年12月23日

【WEB冒頭文】
脊柱管には、脳と末梢をつなぐ「脊髄や馬尾神経」が通っており、脊椎の異常で神経が圧迫・刺激されると、その部位によって、首や腰の痛み、肩や上肢、臀部(でんぶ)、下肢の疼痛、痺れ、麻痺など辛い症状が現れる。
「当センターでは脊椎脊髄疾患治療のために、薬物療法、運動療法、神経ブロック治療などの保存療法を始め、内視鏡や顕微鏡を含むさまざまな手術を提供しています」と語るのは平和病院副院長で横浜脊椎脊髄病センター長の田村睦弘医師だ。1995年に整形外科医としてキャリアをスタートして以来、常に臨床の現場に接し続け、これまでの約25年間(95~2020年)で手術症例は1万件に及ぶスペシャリストである。
左から石井文久医師、野中康臣医師、田村睦弘医師、加藤建医師、川上甲太郎医師。
【掲載記事抜粋】
手術のモットーは「患者さまのために、本当に必要な手術だけを厳選すること」だという。
たとえば坐骨神経痛の原因として知られる「腰椎椎間板ヘルニア」は、まず神経の炎症を鎮める薬の服用やブロック治療、症例によっては、椎間板ヘルニアを分解する酵素「ヘルニコア」の局所注入が行われる。
「手術対象となるのは、保存療法を続けても効果のない方と、神経の圧迫で排尿・排便障害や足先の麻痺を発症した方。手術の適応を正しく見極めて、低侵襲な内視鏡下手術『内視鏡下椎間板切除術(MED)』または『経皮的内視鏡下椎間板切除術(PED)』を行います」
MEDは背中を20mmほど切開し、直径16mmの金属製の筒を挿入。そこから内視鏡と器具を入れて、ヘルニアを切除する。 PEDは直径8mmの極細内視鏡で、ヘルニアの位置によっては椎骨の隙間から挿入可能だ。
「当院では12mmの中間サイズの内視鏡による手術も行っています。ヘルニアの性質、位置、大きさに応じて3種類の内視鏡を使い分けます。切開手術と比べれば、創口が小さく出血と痛みが最小限に抑えられます」
同センターでは「腰部脊柱管狭窄症」の手術も内視鏡下で行う。脊柱管狭窄は加齢などで椎間板や椎骨、靭帯が変性・肥厚し、脊柱管が狭くなって神経を圧迫する疾患。腰痛に加え、足が痛んで休み休みしか歩けない間歇跛行(かんけつはこう)を発症する。
「MRIなどの画像診断で、狭窄部位が複数見つかる例が多く、まず症状の原因となる患部を特定するため、麻酔薬とステロイドを硬膜外や神経根に注入する『ブロック治療』を行います。これで炎症が治まり、手術が不要になるケースも少なくありません」
手術を要する場合も、可能な限り特定した患部のみを狙い、低侵襲に徹する。脊柱管に内視鏡でアプローチし、骨棘や肥厚した靭帯、椎弓の一部を切除する「除圧術」を行う。
「狭窄部位が離れた場所に複数ある場合、それぞれの場所に内視鏡下の手術を行うと、かえって時間や体の負担がかかるため、従来通り切開し直視下で手術をすることもあります。全身麻酔を1時間以内、手術を30分以内など、短時間で手術を終わらせたい超高齢者や重篤な基礎疾患のある方にも、切開手術の方が“より低侵襲”と判断しています」。同センターでは、患者さんの状態に応じて体に負担のかからない最適な方法を検討し、手術を行う。
椎骨がぐらついて狭窄や腰痛の原因となる場合は、椎骨を、ネジとロッド(細長い棒)で固定して安定させる「固定術」を検討する。
「腰椎変性すべり症や腰椎変性側弯症では脊椎の矯正を行います。傷んだ椎間板を取り除き、代わりに自分の骨や人工骨を詰めたインプラントを挿入し、椎骨を正常な位置に矯正し固定。歪みを治します。 MIS-TLIF (低侵襲腰椎後方椎体間固定術)が代表的な術式です」
後方から除圧しない術式として、脇腹またはやや前側から脊椎にアプローチするXLIF (側方腰椎椎体間固定術)とOLIF (前側方腰椎椎体間固定術)がある。
「腹部の内臓や血管を避け、組織を巧みに広げる開創器が開発され、レントゲン透視下で安全に実施できるようになりました。この矯正を行うことで症状が改善し、後方からの除圧術が不要な方もかなりいらっしゃいます」
一方、脊椎の変形やすべりがあっても、除圧のみで治癒する例も多々あるという。あえて固定は行なわず、根治を目指す。患者にとって適切な治療を見極める“的確な眼”こそ田村医師の真骨頂だ。
「近年多い椎骨の圧迫骨折には、医療用セメントを患部に注入する『椎体形成術(BKP)』を行います。圧迫骨折の長期にわたる頑固な疼痛が、セメント治療により劇的に改善されます」。画像検査で椎体に骨折部が存在すれば、セメント治療の適応があるということだ。
また、「頸椎椎間板ヘルニア」や「頸椎症性脊髄症」など頸椎疾患に取り組んでいるのも同センターの特徴だ。
「頸椎疾患は進行に個人差が大きいので、手術のタイミングを図ることが肝心です。首の前からアプローチする頸椎前方除圧手術や、後方からの椎弓形成術などがあり、その判断はとても重要です。私は患部の状態と神経組織をクリアに把握できる顕微鏡下手術を積極的に採用しています」
患者一人ひとりのベストを考えた治療で、地域の病院や整形外科クリニック、ペインクリニックからの信頼も厚く、患者紹介も多い。遠方からも患者が訪れるという。首、腰のトラブルを抱える方のセカンドオピニオンにも積極的に応えてくれるはずだ。
文芸春秋 スーパードクターに教わる最新治療2021
「医の匠」医療人の目線、現場の声。 WEBメディアの取材を受けました。
2020年11月27日

【WEB冒頭文】
25歳で医師になってから約25年の間、脊椎外科を専門としてキャリアを築いてきた田村医師。国内で最も多くの脊椎手術を手掛け、脊椎外科におけるトップランナーとして走り続けてきた。「昨日の手術より、今日の手術の方が上手くできる」と語る田村医師。「患者さんにとってベストな手術をするために」という思いから、豊富な実績を持つベテランにもかかわらず、今も新しい手術を学び続けているという。確かなキャリアを築いてもさらなる高みを目指す姿勢は、医療の道を志す若者にとって、非常に参考となるはずだ。(続く)
ドクターコラム 6
近年は高齢化社会の到来や、高齢者活動度の増加により脊椎疾患が激増しています。
その中でも特に増加しているのが脊椎椎体骨折(腰椎圧迫骨折)で、頑固な腰痛や下肢痛の原因となります。
骨粗鬆症による脊椎骨折は、転倒歴がなくても発生するため「いつのまにか骨折」とも言われ、重篤化すれば寝たきりや介護が必要になる危険があります。
また連鎖的に次々と脊椎に骨折が発生してしまう場合もみられます。
治療ですが、根本に存在する骨粗鬆症の薬物治療は必須です。
内服治療や注射治療など、ひとりひとりにあった骨粗鬆症治療を選択する必要があります。
適度な安静や装具治療も必要となりますので専門医の判断が必要です。
骨折が治癒せず頑固な腰痛が続く場合は、椎体形成術(BKPセメント手術)の適応となります。
圧迫骨折が進行し、背骨が大きく潰れてしまった破裂骨折になりますと、足の痛みやしびれ、麻痺が出現します。
その場合はインプラント固定手術が必要となります。
最近では体の負担が少なく、術後の回復が早い低侵襲固定手術で治療することも可能です。
背骨の骨折の早期診断、保存治療、手術適応については、適格な判断が必要であるため脊椎専門外来の受診をおすすめします。
当院は脊椎脊髄診療に特化した専門病院として、地域のクリニックとの地域連携を密にし、原則として即日のMRIや各種検査による早期診断のもと早期治療が可能です。
外来加療からリハビリテーション、安静目的の入院加療から根治目的の手術治療まですべての治療を施行しています。
骨粗鬆症や背骨の骨折でお困りの患者様はご受診下さい。
(文責 センター長 田村)
ドクターコラム 5
手指や腕、肩甲骨から首の痛み、握力低下、ボタンや箸などの細かい動作(巧緻運動)の障害、歩行障害などは頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症性脊髄症、頚椎症性神経根症、頚椎後縦靭帯骨化症など頚椎の病気が原因となります。
そのほとんどは薬剤治療、リハビリテーション、ブロック治療などの保存治療で改善しますが、保存治療に抵抗性な場合は手術を検討します。
当センターでは頚椎の手術は頚椎の前方と後方(首の前と後ろ)のどちらからでも行なうことが可能です。
病院によっては、得意な方法、慣れた手術法として前方と後方の片方どちらかを優先的に選択することが多い傾向にあります。
しかし、当センターの手術方針は、より適格に効果的に脊髄や神経根の圧迫が解除できる方法を選択しており、前方もしくは後方の手術を患者様ひとりひとりにあったオーダーメイドで選択し、ご提案します。
前方からの頚椎手術は、首の前側(のどの部分)を横に切開し、椎間板ヘルニアや骨棘を切除し、自家骨を充填させたインプラントを椎間板腔に移植し固定する手術です。
前方の食道や気管、頸動脈などをよけて行なう難易度の高い手術ですが、筋肉への負担が少なく、前方にある圧迫病変を直接取り除くことが可能なため、術後の神経痛の改善が劇的な手術です。手術翌日から歩行が可能で、5日~1週間で退院可能です。
皮膚の切開が横向き(水平)で、首のシワにあわせて切開します。
ですからキズの痕も目立ちません。
私が以前、X JAPANのYOSHIKI様が頚椎前方手術をなさった時に、各種メディアに解説をさせて頂いた手術が頚椎前方手術です。
後方からの頚椎手術は、首の後ろ側を縦に切開し、骨を削り、脊柱管を拡大する手術です。頚椎の後方には筋肉しか存在しないため、極めて安全に手術をおこなうことが可能です。
脊髄の通り道(脊柱管)が広範囲に狭い患者様で、後方から全体的に脊髄の圧迫を解除することが目的です。
手術翌々日から歩行が可能で、1週間ほどで退院可能です。
前方手術のように、椎間板ヘルニアや圧迫している骨を直接切除することは出来ませんが、脊髄全体の除圧を行うことが可能です。
私が以前、北島三郎様や西田敏行様が頚椎後方手術をなさった時に、各種メディアに解説をさせた頂いた手術が頚椎後方手術です。
手術をお受けになられたお三方のご活躍をご覧になってもわかりますように、脊髄や神経根の圧迫を取り除くことで、頑固な神経痛や手指の麻痺、歩行障害が改善し、元気で活力あふれる生活を取り戻す事が可能です。
当センターでは、レントゲン、MRIや脊髄造影検査を行ない、早期に適格に病態を把握します。
十分な薬物治療、ブロック治療、リハビリテーションを施行し、ほとんどの患者様が保存治療で改善されます。
改善されない場合は、手術を提案しますが、前述した頚椎手術は、すべて低侵襲手術と呼ばれる体の負担が少ない手術です。
前方から行なうか、後方から行なうかの選択はどうか私達にお任せ下さい。
もちろん、その適応の理由や長所短所は説明いたしますし、疑問点がありましたらご遠慮なくご質問下さい。
長年培った経験と方法で、私達は安全安心に頚椎手術を施行しています。
手指や腕のしびれや痛み、手先の不自由さや歩行障害でお困りのかたはご相談いただけますと幸いです。
頚椎手術は高い専門性が必要ですが、決して危険な治療法ではありません。
是非私達にお任せ下さい。
(文責 センター長 田村)
関連記事
田村睦弘センター長のテレビ解説
頚椎椎弓形成術
ドクターコラム 4
「何歳まで脊椎手術を受ける事ができるのでしょうか?」
と患者様に、よくご質問をいただきます。
「お元気であれば何歳でも手術を受ける事が可能です。」もちろん、心臓疾患や呼吸器疾患など重い病気をお持ちの患者様はたとえ50歳でも全身麻酔の脊椎手術を受ける事が出来ない場合もあります。しかし、お元気な場合、100歳でも脊椎手術は可能と考えています。
先日、開業医の先生より96歳の患者様をご紹介いただきました。他の病院では「高齢なので手術は絶対にできない。」と何度も言われたようです。
患者様は苦痛のため歩行もままならない状態でした。年齢を基準に手術が不可能と判断することはあってはなりません。
当院入院後、各種画像検査、脊髄造影検査や神経根ブロックで病巣を絞り込み、運動療法を中心としたリハビリテーション、各種ブロックや点滴治療、薬物治療など十分な保存治療を施行しました。
下肢痛や歩行障害はいくらか改善したものの、退院できる状態ではありませんでした。内科医と麻酔科医に相談し、我々の手術であれば施行可能との判断を下しました。
しかしそのハードルは高く、麻酔時間60分以内、手術時間30分以内、出血は少量といった超低侵襲手術が求められるのと同時に、完全な脊椎除圧、厳重な全身麻酔管理、早期離床、厳重な術後管理などが必須です。
患者様は「病気を治したい、痛みをとりたい。」という希望に満ちあふれ、ご家族の強い後押しもあり、手術を施行させていただきました。
手術は成功し、すべて順調に経過、術後回復も素晴らしいものでした。
我々のチームワーク医療と患者様の頑張り、ご家族のお支えの結果、痛みは消失し、お元気に退院されました。
「もう一度人生をいただき、ありがとうございました。」と満面の笑みで退院された患者様。96歳からの再スタート。
いつまでもお元気で健やかに過ごされますようお祈り申し上げます。
「96歳まで長生きする秘訣はなんですか?」私は質問しました。
「好きな事をなんでも笑ってするといいよ。」
了解しました。私も96歳を目指して、笑って診療を続けていきたいと思います。
本記事とお写真は患者様とご家族のご了解をいただき掲載しています。
ドクターコラム 3
日本整形外科学会(以下日整会)認定脊椎内視鏡下手術・技術認定制度をご存知ですか?
「日整会認定脊椎内視鏡下手術・技術認定医」は整形外科専門医試験に合格して「整形外科専門医」の資格を取得した上で、さらに「日整会認定脊椎脊髄病医」としての資格を取得した後、「脊椎内視鏡下手術・技術認定医脊椎脊髄病医」の申請資格を得られます。
未編集の内視鏡手術ビデオの提出、内視鏡手術に関連した学会発表実績、従来の脊椎手術症例報告、内視鏡脊椎手術症例報告、技術を保証し得る医師の推薦状、モデル骨での内視鏡手術研修、生きた豚での内視鏡手術研修など多くの条件を満たし、厳正な審査の上認定される資格です。現在、技術認定医は全国に100名しかおらず、単純に計算しても1都道府県に2名ということになります。日本の認定医制度の中では最も難関な資格の1つです。
それではなぜ、脊椎内視鏡手術は難易度が高いのでしょうか?
それは背骨が筋肉、骨、靭帯、硬膜、神経、髄液、椎間板、血管といった固いもの、柔らかいもの、液体など多くのものから構成される特殊性があげられます。通常の背骨の手術が難しいわけですから、内視鏡手術はなおさらです。また内視鏡手術がよく行なわれる部位は、胸腔(胸腔鏡)、腹腔(腹腔鏡)、関節腔(関節鏡)、消化管(胃カメラ)といった比較的ゆとりのある袋状の空間(スペース)で行なう手術であるのに対して、背骨にはスペースが全くないため、少しずつ筒状の器具でスペースを広げ、作り出した筒状のスペースの中で手術を行なう特殊性があります。手術初期には合併症発生が多く、指導医や認定医も少ないため、内視鏡手術を習得する機会に恵まれず、内視鏡手術を断念する若い先生方も多くいるのが事実です。
内視鏡手術は傷が小さく、筋肉への負担も最小限に抑え、大きく明瞭な視野で神経根と椎間板ヘルニアの位置を確認しながらヘルニアを確実に切除する事が可能です。従来のLove法、経皮的椎間板ヘルニア切除術、レーザーを用いた椎間板凝固法などヘルニア手術は多々ありますが、内視鏡手術は理想的なヘルニア手術です。様々な椎間板ヘルニアの手術がある中、日整会技術認定内視鏡医による脊椎内視鏡手術は精度が高く、より安心な手術が提供できます。是非、お近くの脊椎内視鏡認定医を調べてみて下さい。